フレットの交換&すり合わせ

ギターのフレットは主に洋白なので弦よりも柔らかく、チョーキングやビブラートによって摩耗していきます。ネックをぶつけてフレットに傷が付けば、その箇所は音が出なくなります。私のブラウンのテレキャスも3弦19フレットに傷があり、そこだけ音が出ません。フレットもだいぶ摩耗してきました。という訳で今回19フレットの打ち換え(リフレット)と、フレットのすり合わせをする事にしました。

ショップに頼めばリフレットとすり合わせの工賃は合わせて3万~5万で、納期も掛かります。かといって自分でやって失敗すればフレットがバラつき、出ない音やチョーキングの途切れが出て楽器として機能しなくなります。ギターはボディー以上にネックが重要なので失敗した時のリスクは大きいです。

私は道具さえあれば大抵の事は自分でやってしまうので、リフレットとフレットのすり合わせに初挑戦する事にしました。結果何とか成功しましたが、専用の道具を揃え、それなりに器用さに自信のある人でなければ難しいと思います。今回写真付きで簡単な工程を説明しますが、このページをお気に入りに入れようとしてるフロンティア・スピリット溢れるスーパー貧乏な諸君は、あくまで自己責任でチャレンジして下さい。如何なる苦情も受け付けません(笑)。

1.まず傷のある19フレットを専用の道具で抜き取ります。

 

フレットの底をしっかり挟み、少しづつ力を入れてフレットの下に刃が入ったら、テコの原理でフレットを少し浮かせ、逆側も同様にして、チップが出ないように慎重にフレットを抜き取ります。今回私は19フレットだけを交換しましたが、フレットは一つだけを交換するより、全部交換した方が後が楽です。一つだけを交換した事でこの後大変な目に合いました。

2.フレットの溝を掃除します。

道具は専用の道具でなくても大丈夫です。

3.新しいフレットを打ち込み、余分な部分をカットします。

 

私のレリック・ノーキャスターの指盤アールは7.25″(184R)。同じアールのサンディングブロックを用意し、それを当て木にしてゴムハンマーでフレットをしっかり打ち込みます。指盤サイドにフレットの浮きがないのをチェックして、専用の道具で端をカットします。カットしたフレットは45度になるようにヤスリで成形し、バリを取ります。ちなみにサンディングブロックがなければ、プロのリペアマンでもない限りフレットのすり合わせは不可能なので、今回の作業で最も重要なアイテムになります。

4.交換したフレットの高さとアールを他のフレットと同じに合わせる。

今回最も苦労した箇所です。サンディングブロックの先端2cmだけに#400の耐水ペーパーを両面テープで貼り、霧吹きで耐水ペーパーを濡らしたら、交換したフレットが他のフレットと同じ高さ、同じアールになるよう削ります。19フレット以外はマスキングテープで保護します。ここで19フレットの高さとアールがピッタリ合わないままフレット全体のすり合わせをしても上手くいきません。

5.フレット以外の全部の指盤をマスキングテープで保護します。

6.フレット全体のすり合わせをします。

#400の耐水ペーパーをサンディングブロック全体に貼り、霧吹きで耐水ペーパーを濡らしたら、1フレットから21フレットまでを均等の力で削ります。時折ストレートエッジでフレットのピークが直線かを確認しながら、磨り減ったフレット分を平らにしていきます。平らになったら耐水ペーパーを#1000に交換して、仕上げのヤスリを掛けます。

7.溝やすりで成形します。

フレットのピークが平らになっているので、台形状になったフレットを専用の溝ヤスリで丸く成形します。レリック・ノーキャスターのフレットはヴィンテージタイプなので、スモール・サイズの溝やすりを使用しました。

5.スチールウールでフレットを研磨します。

6.仕上げに液体コンパウンドで研磨します。

7.マスキングテープを外し、レモンオイルで指盤のケア。

以上で終了です。弦を張って出ない音がないか確認します。チョーキングでも全フレットを確認。すると16~18フレット上で出ない音がありました。交換した19フレットの削りが甘く、19フレットだけがまだ若干高いようです。1フレットから15フレットまでは完璧。気分転換に撮り溜めていた『ヨーロッパ黒猫紀行』を見てから作業再開。

弦を外し、マスキングテープを貼り、4~7の工程を19フレット付近で行います。完了したら弦を張って音を確認。するとまだ16~18フレット上で出ない音があります。19フレットのアールがピッタリ合っていません。やる気を失くしたので気分転換に撮り溜めていた『世界ネコ歩きスペシャル』を見てから作業再開。

弦を外し、マスキングテープを貼り、4~7の工程を19フレット付近で行います。完了したら弦を張って音を確認。すると16~18フレット上でチョーキングが途切れる箇所があります。19フレットのアールがピッタリ合っていません。苛立ちマックスで夕食の支度に掛かり、2時間後に作業再開。

弦を外し、マスキングテープを貼り、4~7の工程を19フレット付近で行います。完了したら弦を張って音を確認。ようやく全てのポジションで正常に音が出ました。チョーキングも問題なし。アンプを通して音を出すと、音が途切れがちだったポジションのサスティーンも復活しています。全体のバランスも良好。今回は一つだけフレットを交換したのでかなり大変な作業になりましたが、すり合わせだけなら一度で上手くいってた筈です。リフレットはやるなら全部交換が基本。車のタイヤと一緒ですね。午前中に終わらせるつもりが、夜まで掛かってしまった。ひどく疲れた。

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