Aufheben発注状況

レコードの制作状況ですが現在停滞中です。音源、デザイン、DL用コードは全部準備ができ、後は発注するだけの状態ですが、そこで立ち止まっています。

今回プレス盤レコードの制作に踏み切ったのは、CDよりレコードを作った方が音楽好きな人の耳に届く可能性を感じたからです。でも結論を言えばレコードを作っても状況は何も変わらないでしょう。プレス後の流通をつぶさに調べた結果そこに行き着きました。クラブでDJが流すようなハウスやエレクトロならまだ可能性があったかも知れません。アナログレコード市場でインディーの音楽が動くのは国内も海外もその手のものが主流のようです。

ある程度知名度があれば店舗に在庫も置いてもらえ、プッシュもされますが、無名なら音楽の良し悪しに関わらずそれも期待出来ません。結局無所属でやる限りは、それらは全て自分で何とかすべき問題です。普通ならそこで重要になるのがライブやMVです。

ライブをやるにはバンドが必要であり、水準以上の腕もセンスも必要です。そして能力の高い集合体にはもれなくエゴが付いてまわります。全員の個性を曲に凝縮したバンド・サウンドが作りたい内や、自分一人で作りたいものが作れない分には上手くもいくし、出来上がった曲さえ凄ければ大抵の事は我慢も出来ます。でもそうでない音楽を追求し始めたらそれまでです。今の自分の音楽に人のエゴが入る余地はもうなく、運命共同体のバンドで散々人生の積み木を崩されてきた経験がそれを否応なしに拒絶します。

伊賀の里で修行して分身の術を手に入れればライブは可能かも知れませんが、ボーカル、ギター、ベース、マニピュレーターの4人に分身するにはきっと相当な鍛錬を必要とするでしょう。その長い修行の間音楽制作がストップしてしまえば本末転倒です。分身パフォーマーになる事が私の目的ではありません。失敗して分裂すれば元に戻れる保証もありません。

MVに関して言えば今は音楽にMVがあるのは当たり前で、それなくしてyou tubeで視聴数を伸ばす事も出来ません。エンタメ作品ならあって当たり前。でも私はMVの存在意義には否定的な見解を持っています。音楽に余計な色付けをせず音楽だけで完結させたい意思を持つ時代に逆行した純血主義者です。それが自分の首を締めています。結局音楽からエンタメ的要素を一切排除する行為は、音楽が届く場所を奪う行為でしかありません。山奥で人知れず仙人の修行をするものの、決して仙人になどなれない事を分かっている境地です。

それでもライブをしようがしまいが、MVがあろうがなかろうが、SNSというツールを最大限に使おうが使うまいが、本当に力のある音楽なら一つ処には留まらず、僅かな隙間からでも広がる力を持っているものです。広まらない音楽は単に力が足りないだけ。それだけのものを作れないだけ。結局はそこに行き着きます。その思いが最近ずっと心に巣食っています。この状況でも死ぬまで自分を信じ抜くバカになれるか、それともここまで貫き運んだ重荷を降ろして空っぽのバカになるのか。どちらにしろバカな選択にしかなりません。それほど長い時間を掛け過ぎました。

取り敢えず今年は3rdアルバムの処遇を決めた後、今まで作った1st、2ndの音源を96kHz/24bitに変換してリミックス・リマスターする予定です。1トラックずつハイレゾ規格に変換し直すので時間は掛かりますが、今の機材、感覚、やり方で作り直せば今後聴いてもそれなりに納得のいくものになると思います。特に1stの音は今ではとても聴いてられないほど酷いので、一部リレコーディングや曲の差し替えも含め検討しています。

1stと2ndは現在DL配信をストップしていますが、リマスターが完成したら再び配信を開始します。そしてリマスターはDL販売のみの予定です。1stも2ndもCDの在庫が大量に余っています。タンスの上を埋め尽くすダンボールの山です。地震が起きたら自分のCDが真っ先に攻めてきます。これがなくならない限りメディアものの再リリースは有り得ません。そしてなくなる事も有り得ません(泣)。

3rdアルバムに関してはDL販売限定にするか、再び在庫を抱える覚悟でプレス盤を発注するかまだ迷っていますが、もしプレス盤を出すなら最低ロットの100枚にして、回収は考えずに¥3,000(税抜)ぐらいの価格で出す事になると思います。プレス盤がジャケットあり・DLコードのオプション付きで¥213,000(税抜)。流通業者の利益が5.5~6掛けなので、1枚売れて¥1,200~1,350のバック。¥3,000で販売すれば実際の1枚当たりの単価は¥2,130なので、1枚¥-780~930の赤字です。 それが大量に余ります。 本来なら作るべきではありません。

今までのCDの価格はロットを多くする事で足が出ない程度に安く出来ましたが(1stは値下げしたので赤字ですが)、レコードを作る事に決めるならもうこれで良いと思います。あくまでメディアものの目的は形のある音楽の流通です。売れればインディー・チャートに反映されます。その為に重要なものでした。最終目標はDL販売で細々ながらも音楽だけで生活出来るようになる事と、オール・イン・ワンの非レーベルの純粋な音楽作品の確立でした。が、それももう先が見えてしまいました。自分の人生にそんな未来はきっとありません。それを知ってなお何が出来るか、何が作れるか。もうずっと苦しいだけの道のりしか歩いていないけど、前を向く希望まで失くした時、果たして自分に何が作れるのか、もう何も生まれないのか。これは来年以降の課題です。今年はリマスター作業に勤しみます。苦しい2020年の始まりです。

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