産土巡り
木枯らし吹けば
木の葉が落ちて
巡る師走に
初雪が舞う
人の歴史に
人の幹根に
ひこばえ芽吹き
初花が咲く
嗚呼、嗚呼
嗚呼、嗚呼
変わらぬものは
叶わないもの
鳴らない鐘の音はない
通わぬものは
忘れゆくもの
終の棲家は忘れものばかり
嗚呼、嗚呼
嗚呼、嗚呼
長雨煙る
楠の若葉に
水の羽織が
震えはためく
梅雨の終わりを
告げる遠雷
楠の青葉に
初蝉が鳴く
水のせせらぎ
曙の色
生きる喜び
生きる苦しみ
選んだものも
失くしたものも
秋風吹いて
初穂に変わる
嗚呼、嗚呼
嗚呼、嗚呼
宵に光る六連星
野分越えた色見草
粧う色を深めて
巡る産士
巡る産土
作詞・作曲・編曲:相尾マサキ