中東情勢
能登半島地震の予想以上の被害に絶句しています。奥能登へ繋がる国道が陥没や何箇所もの土砂崩れで未だ塞がったままで、海路と空路でしか物資を運べない状況。
道路の復旧にはまだ時間が掛かり、津波を回避する為にみな高地に逃げたので火事も広範囲に燃え広がり、輪島や珠洲など広範囲で地下の水道管が破損して断水が今も続いています。
被災地ではきっと大変な思いをされている人たちばかりでしょう。
地震計での計測が始まったこの75年の間に震度7は6回計測されていますが、すべてここ29年以内。その内4回がこの13年以内です。
震度7の地震がこの13年で4回。
日本はプレートも活断層も多く、南海トラフも必ず近い内来るとはいえちょっと異常な数値です。個人でも各市町村でも被災後の備えは必須ですね。特に道路が分断され孤立する可能性のある土地は。
中東では米英がイエメンのフーシ派の拠点を攻撃して、ちょっときな臭い情勢になってきています。
イスラム圏の中東では大きくスンニ派とシーア派に宗派が分かれており、サウジ、トルコ、シリア、ヨルダン、UAE、エジプトなどはスンニ派が多数。イランはほぼシーア派。イラク、レバノン、イエメンの約3割もシーア派です。
今回攻撃を受けたイエメンのフーシ派というのはシーア派に属し、イスラエルにテロ攻撃を仕掛けたハマスやイスラム聖戦(どちらもスンニ派)、レバノンのヒズボラと同様にイランからの支援を受けている反政府組織で、アメリカはこれらをテロ組織に認定しています。
あくまでアメリカではです。
内戦中のイエメンでそのフーシ派の拠点を今月11日、アメリカのバイデン大統領がイギリスと共同で攻撃。怒ったフーシ派が大規模デモを起こしました。米軍は12日にも空爆をしています。
理由は紅海周辺でイスラエルの貨物船などがフーシ派に襲われているから。今後反米勢力の抗争とパレスチナで起きている事が等しく扱われる事が心配です。
イスラム圏ではスンニ派もシーア派も基本的にパレスチナ支持の立場です。今回空爆を受けたフーシ派もパレスチナを支持しています。
親イスラエルの欧米でも今回のイスラエルのジェノサイドを批判する人は多いですが(沈黙している人の方が多数ですが)、その批判はパレスチナ虐殺に対してであり、イスラエル批判=ハマス支持&イランの代理勢力支持とはならないし、欧米ではイスラエル批判とパレスチナ解放はまた別の問題と考える人も多いでしょう。
でもイスラム圏がパレスチナの旗を掲げて反米・反英抗争をすればパレスチナに同調しない人も出てくるでしょう。
日本では当然ハマスのテロ行為を支持する人はおらず、かといってイスラエルを支持する訳でもない。相変わらずの日和見主義。
一番の被害者はただ自分の生まれた国に住んでいるだけのパレスチナ人でしょう。
そのパレスチナの一般市民がハマスに抱く感情や、ガザの実効支配やイスラエルへのテロ攻撃にどう感じているのかは不明ですが、同じ抑圧を受けてきた同じ民族なのでハマスに肯定的なのかも知れません。
ただハマス=パレスチナという曖昧な認識がいまいちパレスチナを支持出来ない理由の一つになっている人も多い気がします。私はハマスもイスラエルも支持はしませんが、パレスチナ解放は支持します。
大本の原因はイスラエルがパレスチナに抑圧を与えてきた歴史と、シーア派ではないハマスやイスラム聖戦を支援してきたイランの政治的な背景でしょう。
その背景にはアメリカが中東の石油利権を奪おうと画策してきた事への嫌悪や反発が当然あります。
先月南アフリカがイスラエルのジェノサイドを国際司法裁判所に提訴し、その審理が今月11日から始まっています。
ジェノサイド条約に違反すると主張する南アフリカに対し、イスラエルはジェノサイドはハマスがイスラエルに対してしようとしたもので、防衛の為の戦いをしているだけと反論。
国際司法裁判所に紛争を調停する権威はないのでイスラエルはこれまで同様ガザへの無差別攻撃をハマス壊滅の限定攻撃と言い張るだろうし、それを批判する者こそテロリストの支持者だと主張をするでしょう。
イスラエルはかつてのホロコーストを政治的プロパガンダに利用し、ユダヤ人を守られるべき弱者に誘導する主張が近年多く見られますが、どう考えても現在のイスラエルは強者中の強者です。
ここで更にアメリカが問題をかき回せば余計に糸が縺れるのにバイデンは誰の指示でそんな事をしているのか……。
中東問題はいつもよそ者のアメリカが手を出して余計な火種を作る。アジアも同じです。日中韓が手を取ってアジアが団結したら一番困るのはアメリカです。