防音室の改造
タイトル通り防音室の改造をしました。
私の使用している防音室はヤマハのアビテックスミニ。0.8畳で遮音性能は最も低いDr-30です。
中古で購入後2cmのユニウールを内側の壁面三面(扉部以外)に貼って、床には2cm厚のゴムの遮音材(かなり重い)を敷き詰め、更にその上に防音カーペットを敷き、天井には5cmに組み合わせたダンボールを敷き詰め、遮音性を向上させていましたが、やはりボーカルの録音で声を張り上げる時など、野外への音漏れは多少あるだろうと気になっていました。
ボーカルは曲によって発声の仕方や喉の使い方が異なり、はらわたから声を絞り出した時などは、近隣に声が漏れていたら気でも触れたのかと思われかねない。
近所の人とは割と良好な関係を築けているので、いらぬ気を遣わせない為にもこの度完全カスタマイズに踏み切る事にしました。
まず防音室で最も音漏れがあるのは床部分。ここには既に厚さ2cmのゴム板と防音カーペットを敷いています。だが吸音材はない。というか柔らかい吸音材では床には使えない。
なのでゴム板の上に吸音材代わりの調音パネル(2cm)を加工して5mmほど浮床ぎみになるように敷き詰めました。その上に防音カーペットと普通のカーペットを敷き、デフォルトからトータル5cmの底上げ。
次に内側の壁面四面と天井に1mm厚の遮音シートをタッカーで隙間なく貼り付けていきます。これだけでは効果が薄いですが、この上に吸音材を貼る事で遮音シートの効力は発揮されます。防音とは遮音材と吸音材の組み合わせです。
内側に遮音シートをビッシリ貼るとこんな感じになります(壁と天井の境目に僅かに隙間がありますが)。
この後吸音材を壁面四カ所と天井に貼る訳ですが、今回使用する吸音材は5cm厚の吸音ボード、素材はグラスウールです。断熱材にも使用されるグラスウールですが取り扱いには注意が必要です。
見た目は黄色いウレタンですが実はガラス繊維。なのでカットする際や、移動、貼り付けの際に、ほこりのような僅かな繊維のくずが素肌に触れるとチクチクします。
ここは完全防備で臨みます。作業後に捨ててもいい服に着替え、バンダナにマスク&ゴーグル着用で作業開始。
カットした部分には繊維が漏れないようテープを貼り付け、天井と壁面に両面テープで貼り付けていきます。出入りの多い扉部分の壁面には安全なユニウール(2cm)を貼って扉を閉めた時に隙間が出来ないように加工します。
吸音材の加工・貼り付けは結構大変な作業でした。これが吸音材を貼り終わった所です。
更に薄さ8mmのバータイプのLED照明を付けて、機材を中に戻せば完成です。狭い!以前に増して圧迫感が凄い。閉所恐怖症の人は長くはいられないでしょう。
床から天井までの高さが約10cm低くなったので髪が天井に触れる。166.5cm以上は使用不可です。ホビットタイプで良かった。これが生まれ変わった防音室の姿です。
作業後余ったグラスウールを袋に入れてテープで密閉し、コロコロ&水拭きで念入りに掃除して、服を捨てて速攻風呂に入りました。それでも腕が少しチクチクする。
グラスウールの繊維が少し刺さったようです。しかしこれで防音効果は大幅に上がった。ハラワタから声を絞り出しても大丈夫。500ルーメンの照明も明るい。