4thアルバム

日本詞での曲制作を始めて1年半。この1年半で9曲が溜まりました。

コロナ禍になってから職場が早く終われる時は時短になり、そのお陰で通常より速いペースで曲が作れています。後1,2曲書いたら4thアルバムにして配信する予定です。

仕事をしながらでももっと速いペースで曲を作る事は可能だし、仮に仕事と家庭を両立しながらでも空いてる時間で音楽を作る事自体は可能です。どれだけ忙しくても人間やろうと思えば大抵の事は出来てしまいます。

でもそれで質の高いものは絶対に作れません。

音楽制作はレコーディングとミックスの時間さえあれば足りるものではなく、録音時間以上に考える時間の方が長く、作る曲以上にボツにする曲の方が多く、どれだけ多くの時間を音楽に捧げられるかが重要です。

例えるならたたら製鉄のようなもの。大量の砂鉄を拾い集めて炉にかけ鉧を作り、そこから純度の高い玉鋼が取れるのは集めた砂鉄の僅か10分の1ほど。その玉鋼を使って実際に刀を打ち、刃紋を入れるのがレコーディングやミックスです。

集める砂鉄が少なければ玉鋼の質も落ちていきます。質を求めれば人間出来る事より出来ない事の方が多く、質を保つ為には必ず犠牲や代償が付き物。

私は若い頃からその意識が人より強かったので、音楽で十分に食う事が出来なければ、恋愛はしても結婚はしない事を自分に課してきました。そしてめでたく生涯独身です(笑)。

この話を誰かにすると大抵の人は首をかしげます。ピンと来ない人や理解の出来ない人たちばかりでした。昔はなぜこんな当たり前の事が説明しなければ分からないのかと不思議だったけど、今では人は自分で気づけない事は説明しても本当の理解が出来ない事をよく知っています。そしてそれが分かる人と分からない人とでは同じ人間でも中身がまるで違う事も。

ウチの家系は祖父母の代から生別、死別、妾、不倫などで血が複雑に入り乱れ、正当な祖先と呼べる存在も親戚もありません。似た境遇同士だった両親も結局離婚をしており、私は子供の頃からなぜ人は同じ過ちを繰り返すのかをずっと考えてきました。失い、守れず、放っておけば壊れるものを、維持させ、特別なままに留めて貫く為には何が必用なのか。私はその答えを多分人より多く持っています。

『音楽で十分に食う事が出来なければ自分の家庭は持たない』。その意味が分かる人は同様に答えを持ってる人なんだと思います。分からない人は今の世界を生きる術には長けていても、人として生きる為の普遍的な本質や哲学には無頓着で自制も足りない人。私とは価値が真逆の人たちです。

自制とは不自由になる事ではなく、自分の大切なものの自由を自分の元に留める誓約の枷。つまり愛です。自制のない自由は無と同じで、そこから価値を拾っても守らねばまた無に返り、質を求めるなら集める砂鉄が少なければ維持も出来ない。

でも人間のエネルギーには限りがあり、生活する為には金もいる。だから何かを特別なままにする為には何かを捨てなければどちらも壊れてただの惰性に成り果てるという話です。口先や気持ちや気合いだけでは人間何も守れません。

話を戻して4thアルバムの曲はNeve導入以前のものはNeveを通してミックスを全部やり直します。楽曲もギターの録り直しをしたい曲があったので、そのレコーディングを今までやっていました。

後はベースを1,2曲変更したら新曲に取り掛かります。歌詞さえまとまれば8月の盆休み頃には完成すると思います。

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