新曲完成しました

前回、遂に理想的なファズ・トーンを手に入れたので、早速ファズのカッコ良いリフを作って曲を仕上げました。

ベース以外のレコーディングは一月前には録り終えていたんですが、今月もう一曲をレコーディングする予定だったので、それに合わせてこの曲のベースも一緒に録りました。理由はベース弦が高いからです。

自分が使っているヘフナーの”Ignition Bass”はショートスケールの上ペグがギター用のペグです。普通のベース弦がポストの穴に通りません。

定かではありませんがヘフナーのペグをベース用のものに交換して通常の弦を張るとネックが壊れる可能性があるという話を聞き、現状ペグはそのままにしています。

このベースに弦を張るにはヘフナー専用の弦を買う事になるのですが、それが一番安いラウンド弦で¥4,000前後。一曲レコーディングする度に買うのは勿体無いので、二曲分纏めてレコーディングする事にしました。

しかしゲルマニウム・ファズの音はやはり良い。この音が出したくてギターを始めたようなものです。

60年代中盤~後半にゲルマニウム・トランジスタでファズが試作・生産されて、当時の録音に使われましたが、ゲルマニウムには重大な欠陥がありました。

気温の変化に弱い。冬になると正常な音が出ない。セッティングが難しく個体差も激しい。それでファズの生産は次第にゲルマニウムからシリコン・トランジスタが主流になります。

しかしゲルマニウムにはこれにしか出せない音があり、マニアの間では重宝されます。ハンドメイドのペダル製作者や、過去のペダルの復刻版ではゲルマニウムが使われたり、今はゲルマニウムとシリコンのハイブリッドなども存在します。

が、ゲルマニウム自体にかつての需要はもうなく、製造もとっくに終了しているので、60年代のファズに使われたOC75やOC81などのゲルマニウムは貴重なデッドストックです。その為これらを使用したファズは値段が高い。高いのに個体差が激しい。

更にそのまま通してアンプに繋ぐだけでは使える音にはならない。何らかの工夫をしなければならず、前後のペダルやアンプとの相性もあり、出したい音を出すにはとんでもなく苦労する訳です。貧乏ミュージシャンにはたまりません。

私はこの音に辿り着くまでに長い時間と手痛い出費を払い続けました。逆に使いこなせさえすれば強力な武器になり、鎌倉・室町の刀匠のように一代限りの秘伝となります。これでようやく無駄な散財も終わりそうです。今まで録った4曲の内、2曲のギターもこの音で録り直しました。

一昨日録り終えたもう一曲はメロウなスローバラードです。作ったのはもう17年も昔で、東京で作った最初のバンドで演奏していました。ギターとメロディーは昔のまま、歌詞だけ差し替えています。この曲をレコーディングするなら絶対にオルガンが必要だと思いつつ長い事放置していました。

今回パイプオルガンのプラグインを買ってこの連休でレコーディングを済ませました。ミックスはまだこれからですが、この曲は今の所アップ予定はありません。もう一曲のファズ・トーンのリフ・ロックはアップするので聴いて下さい。

※Keep To Your Philosophy (2023 Remaster)に差し替え

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