新曲のミックス開始

先週の日曜に左手首を寝違えてしまい(珍しい事ですがたまにやります)、その影響からか月曜から左前腕の内側に触れると、細かいガラスの粒子で擦ったような痛みが……。

金曜には痛みの範囲が広がり、触るだけで痛いのでストレスを感じていたのですが、昨日の夜に痛みが弱まっている事に気付き、今朝にはかなり良くなっていました。もしかして厄祓いって本当に効果あるのか?ってか厄だったのかこれは。

さて、昨日のブログでも少し触れましたが、去年の暮れから新曲を二曲並行して製作中です。既に二曲分の全パートのレコーディングが終了し、これからミックス作業に入る所です。完成次第曲の一部をアップします。

前回のアルバムを作った時は、月に一曲ペースを課して作っていました。ベーシックな楽曲とメロディーの断片は既にあったので、それを煮詰めて全体の構成、作詞、リズムトラックの作成、全パートのアレンジ、全パートのレコーディング、オーバーダブ、ミックス迄をトータルで一ヶ月。

レコーディングした音は通常そのままでは使えないので、録音した一つ一つのトラックにコンプやEQなどを付加して混ざりを自然にしてから、定位で広がりと奥行きを作り、最後に全体の音量のバランスを整えます。その一連の作業がミックスです。ミックスの出来で音楽の印象は決まります。

更にその後の工程にはマスタリングがあります。耳障りな音の成分を取り除いてバランスを整え、各曲の音量を揃えて音圧を限界まで上げて、どのスピーカーでも問題なく聞けるように仕上げる最終工程です。曲のISRC情報などもマスタリング時に書き込まれます。

これだけは自分の脆弱なモニター環境では手を出さない方が賢明なので、前回マスタリングはプロのエンジニアに委託しました。ちなみにリマスターとはこのマスタリングだけをやり直す作業です。

CDが普及し始めた当初は、レコード盤のアナログマスターをそのままCD規格にデジタル化していました。やがてデジタル用のマスタリング技術が進化すると、様々な音源がデジタル用にリマスターされ再販されるようになります。

アナログマスターをデジタル化する際、CD規格の44.1kHz/16bitより高いビットレートで取り込み、マスタリング時にCD規格のビットレートに変換するやり方です。それらは最初のCD化と比べると格段に音が良くなります。しかし元々デジタル用にマスタリングされた音源のリマスター効果には疑わしい場合があります。

昨今のレコードブームの到来で、名盤が再び新譜としてレコード化されているようですが、それは逆にデジタル用にリマスターした音源を使ってアナログ盤にプレスするという主客転倒な話。レーベルの信念のないフットワークの軽さにはいつも頭が下がりますが、私なら状態の良い中古のオリジナル盤を探します。

さて、一般的にミュージシャンの仕事はレコーディングまでで、ミックスやマスタリングはエンジニアの領域です。DTMの普及でそこそこ質の良いプラグインが安価で手に入るようになったとはいえ、ミックスを行うにはそれなりのスキルが必須です。

プロは皆高価な機材と、独自の設定や小技を多く持っています。コンプやEQの設定次第で聞こえ方が変わるので、経験がないととにかく時間が掛かります。個人的にミックスは大嫌いな作業です。

二年前は仕事から帰ると曲制作。仕事中も頭の中では曲制作。休日は0.8畳の防音室でレコーディング。真夏は0.8畳の熱気の中をパン一でレコーディング。歌入れは初めて歌う曲を即日録音。ベースはネックが反ってトラスロッドの利かない安物の粗悪品を使用。モニターはフラットではないクセのあるモニタースピーカーを使用。ミックスは試行錯誤しながら同じ曲を何百回と聞いて、完成する頃には二度と聞きたくない曲になる始末。

結果的に期限を設けて粗が出てしまったので、今回は期限を設けずじっくりやりたいと思います。モニターもフラットなスピーカーを用意し、ベースもレコーディング用にヘフナーのIgnition Bassを購入。ベースとしては安物ですが弦をラウンド・ワウンドにして、ライン限定で使えば充分戦力になります。

歪みもトーンベンダー系に変えて理想的なファズトーンを獲得。アンプはメインをマーシャルからハイデンのクラスAアンプに変更、真空管も交換してファズの乗りは上々、クリーントーンも秀麗。

ピックアップもジョー・バーデンとリンディ・フレーリンに交換。新しいプラグインも幾つか導入し、一年半掛けて機材を一新しました。

前回は音が全然良くなかったので、これで少しは改善されると思います。ボーカルも今回は一度仮歌を入れて楽曲を仕上げてから、最後に本番を録音しています。

では、これから大嫌いなミックス作業に突入します。時間を掛けすぎるとまた完成する頃に嫌いになってしまうので、スリムにタイトにスマートに仕上げていきます。まあ前回の経験があるので楽勝でしょう。あの時の記憶を頼りにやれば。

……うん、ミックスのやり方忘れてた。

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