ポール・マッカートニー・ドーム最終公演
行ってきました。ポールのドーム最終公演。良かったです。ビートルズ時代、ウィングス時代、ソロからバランス良く選曲し、新曲も数曲やってました。決して全盛期の声ではないけど、72歳の声でもない。
この日はポールの喉も絶好調で、ノリノリで2時間40分の間ステージ上で水も飲まずに演り切っていました。紛れも無いポールの声でビートルズ・ナンバーが生で聞けたのは良かったです。何度か鳥肌が立つ瞬間がありました。
残念だった事はやはりドームの音が悪かった事。東京ドームの二階席は初めてだったけど、音が少し遅れて聞こえるので双眼鏡で見る演奏とタイムラグがあります。それにリアルタイムの音が間近のモニターから聴こえるので音がダブって気持ち悪い。特にドラム。
ドラムセット全体にショートディレイを掛けたような効果になるので、その重低音で他の音が掻き消されます。更にポールの演奏(ベース、ギター、ピアノ)とボーカルはデカく調整されているので、全体の音のバランスはかなり悪かったです。
まあバンドサウンドでなく、ポールのソロなのでそこら辺は仕方ないのかなと。
あと二階の最前列は立ち上がる事が禁止になっており、すぐ隣に監視員がずっといたのでそれも消化不良の一つ。二階席は最前列だけでなく後ろもみな基本座っていました。
アリーナ、一階席、二階席と場所によってかなり温度差があり、二階席は客が最も静かに見る空間になっていました。正直アリーナや一階席の一体感が羨ましかったです。席の不明な先行予約で東京ドームに行く事は二度とないでしょう。
意外と一番ノリが良かった曲はウィングス時代の”Live And Let Die”だった気がします。ガンズのライブ・バージョンと同じタイミングで火柱がもの凄い轟音で上がっていました。演奏後ポールが耳が聞こえない振りをして「Too loud!」とおどけるのは多分毎度の演出なんでしょう。
72歳になってもポールはお茶目でクールなイメージのままでした。その後の”Hey Jude”も良かった。最後の大合唱でニ階席以外の客はかなり一体化してました。羨ましかった。
今回6年振りに東京に行った訳ですが、10年住んでいたのできっと見るもの全てが懐かしく感じるだろうと思っていたのですが、意外とそんな気持ちは全く沸き起こりませんでした。正直自分の冷めた感情に一番鳥肌が立った思いです。理由は良く分かりません。
久し振りに思い出のある場所をぶらついて改めて感じていたのは、ここは色んな生き方の人間や、色んな格好の人間が、当たり前に存在を許される場所なんだなと。そんな事を今更ながら感じていました。
まあ6年振りに東京の友人にも会えたし良かったです。けど本音は武道館行きたかった。