Guns N’ Roses 一部リユニオン決定!

新年早々驚きました。ガンズ・アンド・ローゼズにスラッシュとダフが戻り、4月のコーチェラ・フェスティヴァルにヘッドライナー出演する事が今日正式に発表されたようです。

他のメンバーについては発表がなく現時点では不明です。なのでまだ完全なリユニオンではありません。

発表がないという事はアクセルがまだ決めかねているのか。何れにしろイジーとスティーブンの復帰はアクセルの決断に委ねられている気がします。

4年前のロックの殿堂の式典でガンズのリユニオンが注目された際、この機会を逃したらもうガンズの再結成は二度とないだろうと思ってました。

スティーブンはすっかりクリーンになって誰よりもやる気満々、スラッシュとダフも前向き、イジーのコメントはなかったけど結局このバンドはアクセル次第。

ファンの期待が膨らむ状況にアクセル自身も相当悩んだと思いますが、現メンバーへの配慮を含めどうすべきか答えが出せなかったのか、結局直前でアクセルが不参加を表明。

自らが水を差す形でこの話を終わらせました。

この時オリジナルメンバーでガンズが復活する事は二度とないのだと私は確信しました。アクセルがそれを望む事はきっと一生ないのだろうと。

それが去年の夏ぐらいに突然20年近く続いたアクセルとスラッシュの不仲が改善されたとの報道があり、スラッシュ自身もそれを認める発言。時を同じくしてガンズの現ギタリスト二人が脱退したとの報道。

更に年末からの急展開でガンズの公式サイトに昔のブレット・ロゴが現れ、アメリカでスター・ウォーズの上映前にWelcome to the Jungleと共にモノクロのオーディエンスの映像が突如流され、オリジナルのガンズ復活を予感させる報道が相次いでいました。そして今回の公式発表。本当に驚きました。

2008年に総額14億を投じて14年振りに発表したガンズのニュー・アルバム “Chinese Democracy” は凄く良いアルバムでした。けどガンズの音楽とはやはり別物でした。

久々にアクセルの才能に触れられたのは嬉しかったけど、あれはアクセルがやりたい音楽を叶える為に集めた仲間でガンズ名義のソロ・プロジェクトをやったというのが私の認識です。

あの路線をオリジナル・ラインナップで踏襲する事は無理だろうし、今後のガンズにアクセルが何を求めるかで残りのメンバーも決まる気がします。ただ個人的にはオリジナルに戻って欲しい。オリジナルのガンズなら東京ドームの二階席でも見たい。

私が本気で音楽を始めるきっかけになったのはガンズとアクセルの存在でした。

自分が上京して最初に作ったバンドもあまりにガンズを意識したものだったので、自分のオリジナリティと向き合う為に解散せざるを得なくなり、その反動、或いは脱却からガンズを聴く事は殆どなくなり、今聴いてもあの頃の興奮はもう蘇りません。

けど “Appetite For Destruction” は人生で最も聴いたアルバムだし、ガンズこそが自分の人生を変えてくれたバンド。かつてのアクセルへの憧れは崇拝に近いものでした。

ブートを買い漁ってまで聴いたのもガンズだけ。上京して真っ先に西新宿のブートショップを散策し、ずっと聴きたかったガンズの初来日武道館を見つけた時は心が震えました。

初来日武道館の音源は公式でも録音されているのでアクセルの死後に是非リリースして欲しい。アクセル存命中だと”Live Era”のようにボーカルの大部分をスタジオ録音に差し替えた疑似ライヴになりそうなので。

アクセルには若い頃の自分がやってた事をもっと信じて欲しい。あれは上手い下手云々でなく、それを超えたとんでもないエネルギーの塊の大放出。

特に1987~1988年のアクセルはそれを全身全霊で叫び上げ、スタジオ盤とは全く違う魅力と熱量を生み出していました。ファンはそれが聴きたいんです。

ガンズが最もガンズらしかったのは1986年の結成から飛ぶ鳥を落とす勢いだった1989年まで。オリジナルメンバーの時代です。スティーブンがクビになってマットが加入するとノリが変わってしまった。

スティーブンは技術的に上手いドラマーではなかったけど、カウベルの使い方にはセンスがあり、それがガンズの楽曲にらしさを加え、あのルーズなノリがガンズっぽさの一翼を担っていた。

イジーも技術的に目立つギターではなかったけど、リフを作る才能があった。アペタイトの大半はイジーの書いたシンプルな曲をスラッシュが作り込んで肉付けし、二人のルーズなギターの絡みが主客交代して楽曲のカッコ良さを演出していた。

イジーが脱退した後はスラッシュがイジーのパートも弾くようになったので、代わりに入ったギルビーの役割はおまけのようなサポートギターだった。

イジーとスティーブンがガンズの良い意味でルーズなグルーヴを作っていたので、二人が抜けてからのガンズは普通のHR・HM枠のバンドになってしまった。

そしてアクセルはガンズの音楽をもっとオルタナティブで新しいものに進化させる必要性を感じ、スラッシュは今まで通りの音楽を続けようとした。

果たして今になってクラシック・ラインナップに戻っても、スタジオでどれだけのものが作れるかは未知数だし、アペタイトのような音楽を目指せばどうしても過去の劣化盤になってしまう。

そう考えるとグランジの台頭を受け、逸早く新しいものを作る事に意欲的だった当時のアクセルの先見の明はさすがだと思います。

ただあの仲間でそれが出来なかった時点で、アクセルは新しいバンド名義でそれを始めるべきだった。ガンズの名前で、ガンズではない者たちと、ガンズの音楽ではないものを作ろうとして孤立し、より深い確執を生んでしまった。

その長い対立がようやく終わり、スラッシュとダフがガンズのメンバーに復帰します。しかし今となっては若さもハングリーさも失くした富裕層のミュージシャンが周りを唸らせる曲を作るのは難しいでしょう。他のリユニオンバンド同様。

それならライブを主体にしてオリジナルメンバーに戻って欲しい。今は無理でもいつか。アクセルがあの声を出せている内に。

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