Keep To Your Philosophy リミックス/リマスター

コロナウイルスでみな大変な思いをし、先の不安も多いと思います。これから日本や世界の経済含めどうなるかは分かりませんが、今は最善を尽くして日々を過ごしていきましょう。

私は正月過ぎから2ndアルバムのリミックス/リマスター作業に着手しています。12曲の全トラックを96kHz/24bitのハイレゾ規格に変換して、ドラムの音色を今のドラムキットと今の技術で音処理し直し、ボーカルにはUADのAvalon VT-737spを通します。これは最近買ったお勧めのプラグインです。実機はR&Bやヒップホップで主に使われるチャンネルストリップなんですが、マイクの値段が変わったように声が生っぽくなります。残念なのはこれを買ったのが3rdアルバムのマスターを納入した後で、3rdには使えなかった事。使いたかった……。

これだけでもかなり音質は向上したんですが、セカンドの音で一番問題だったのはベースと歪んだギターの箱鳴り感のなさ。元音が悪いものは録り直すしかありません。

セカンドのベースの音は全てインドネシア製のヘフナーで録っていたので、まずこれをプレベで録り直しました。2月末の三連休に有給を足した4連休で、全12曲分のベースのレコーディングを済ませました。どの曲も弾き方など完全に忘れているので、まず過去の自分の演奏を覚える所から始め、練習しながら音作りをしてレコーディング。でまたリセットして覚えて音作りしてレコーディング。1日3曲×4日間ひたすらベースを手に持ち、夢の中でもベースを弾き、目が覚めてもベースラインが頭の中に流れていました。

去年の終わり頃にベースのピックアップを二つともローラーのものに換えていたので、非常に良い音で録れました。プレベPU、ジャズベPU両方大活躍です。RemenberとUtter Shooterだけはヘフナーの方が曲に合ったので、この二曲はヘフナーで再レコーディング。Remenberのベースラインを弾くには小振りのヘフナーが最適で、良いグルーヴ感が出せました。

ギターはついでにアコギの音を今のメインギターのS.Yairiで録りたくて、LRの片側トラックだけを二曲分録り直しました。後はバッキングの歪んだ音。これは来週からレコーディングを開始します。ギターソロもシンプルなものは録り直す事になるかも知れません。これで音は相当良くなります。聴き応えのある音になればきっとこのアルバムの良さがもっと伝わる筈です。

私は一度完成させた曲はもう聴き返す事がなくなるんですが、今回何年振りかにセカンドアルバムを客観的に聴いて強く感じたのは、やはりこれは凄いアルバムだったという事です。色んなジャンルの要素が入り混じったバリエーションに富んだ楽曲。その一つ一つの完成度の高さやアルバムの流れ。ソウルのあるボーカル、声、表現力、幅広い音域。ギターのリフやフレーズのセンス、歌うようなベースライン。これを一人の人間が作ったというのか?誰が?俺だ。天才じゃないか!これはもう自分が悪いんじゃなく、この良さを認められない側の問題だ。過去の自分から喪失しかけていた自信を取り戻しました。

人それぞれ音楽の好みは違うので、ジャンル違いの人は仕方ないとして、洋楽ロックが好きな人でこのアルバムのリマスターを聴いてノーリアクションの人は、単にブランドのタグでしか音楽を聴けないファッション野郎でしょう。もしくは音楽の審美が絶望的に欠けてるかのどちらかです。このアルバムが今に至るまで何の評価も得られないのは、単にこのアルバムの存在を誰も知らないからです。でも作った私はその確かな価値を知っています。これをこの世に残せた事は誇るべき事です。

殆どの人は自分の才能に限界を感じて音楽をやめていきます。だから私はやめる事が出来ずにいます。自分にしか作れないものがある限り、どんなに苦しくても作り続けるしかありません。状況など変わらなくても、誰にも届かなくても、その価値を自分が分かっている限り、作り続けねばなりません。それはきっと意味ある行為です。未来の人間が過去の人間の音楽を聴く時、聴くべき基準は聴く価値がある音楽か否かだけ。それが音楽の本質です。

ちなみに今週末はリミックス作業から一旦離れてモノ作りモードでした。とある返礼品を作るついでに、ギターのピックガードを一新しました。薄いアルミ板をピックガードの形にカットして、ベースのピックガードに金箔を貼った要領でプラチナ箔を貼りました。その上に透明のピックガードを被せて完成です。今までのメタルピックガードは重かったのでこれでかなり軽量化されました。後は振動が変わるので音の変化がどうなるか。ブリッジも結局ストラトタイプのブラス製に変更。三連サドルの方が太い音が出たけど、こちらの方が良い意味で枯れて、音も粘ります。テレキャスのボディにミディアムスケールのテレネック、レスポールのPAFクローンに、ストラトのブリッジサドル。プラチナ箔のピックガード。ユニークなギターになりました。

Masaki Aio

シェアする

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 が付いている欄は必須項目です

コメントする