Keep To Your Philosophy (2020 Remaster)

2ndアルバムのリマスターがようやく完成しました。予定よりかなり時間が掛かったけど、時間を掛けた甲斐がありました。快心の出来です。ボーカル、ギター、ベース、ドラムの全ての音が前に抜けて、楽曲全体が感じられるのが自分の理想のミックスですが、今作からやっとそれを明確な形にする事が出来るようになりました。

3rdアルバム制作時からミックス~マスタリングには手応えを感じていました。大きくは従来のやり方とは違う独自のマスタリング手法に変えた事と、リバーブにもフィルターを掛けた事が効果的だったんですが、ドラムだけはなかなか満足する音が作れずにいました。

それが3rdアルバム完成後に、ドラムの音処理にある一手間を加える事を思い付き、ようやく長年の課題だったドラムの音が満足いくものへと改善されました。今作からは自分が良く聴く音楽と比較しても決して聴き劣りはしません。一番の弱みだったミックス~マスタリングが、自分の音楽を作る上での強みに変わってきました。

ミックスは音数が多いほど音が抜けずに埋もれていきます。フェーダーを上げればそれで音が前に出るという単純なものではありません。全部の楽器の音が抜けて、尚且ボーカルがしっかり聞こえるミックスに仕上げるには、幾つもの必要な工程を踏まねばなりません。自分の作りたい音楽は大衆的なサウンドとは少し異なるので、それを作る為の技術は本には書かれていないし、人から教わるものでもありません。一つ一つ自分で思い至らねばならないものです。

1st、2ndではその部分がまだ未熟すぎて、足りない人間が足りないまま作っていたので、自分の音楽の質を自分で下げていました。ドラムは全然前に抜けず、全体的に音像がぼやけてゴチャゴチャしたバランスの悪い音でした。元音も機材も悪かったです。知識も技術も経験も足りず、特にリバーブの使い方が素人同然でした。まあ、今から振り返ればですが。

1stの制作が2012年の夏からなのでちょうど丸8年。やっと自分の作りたいサウンドに到達出来ました。成長の度合いとしてはかなり遅いです。元々エンジニアとしての才能はないのでしょう。プロの現場なら今に至る前にとうにお払い箱になっています。でもこうして自分のサウンドが作れるようになりました。1stと2ndに関してはこのリマスターで、やっと本来の自分の音楽が形に示せると思います。

ちなみにISRCの申請は便宜上(2020 Remaster)で登録していますが、実際はリミックス/リマスター、更に一部リレコーディングとなります。ベースは全曲録り直し、ギターも歪んだバッキングの音を録り直しています。良い音にするには元音が重要だからです。ただ、良い音=使える音ともまた違って、ベースの音などは単体で良い音でも混ぜたら使えない音になる事が結構あります。音作りの下手なベーシストはやたらローをブーストしがちですが、ベースは元々低域が強く出る楽器なので、逆にローを削ってハイを上げた方がバンドアンサンブルでベースの音は抜けてきます。他の楽器のトーンや編成によっても変わってきますが、使える良い音で録れればEQは基本引き算で済みます。

後はボーカルもTricksterのブリッジだけは録り直しています。リミックス前にこの曲を久々に聴き返した時、なぜこのブリッジにこのテイクを採用したのか疑問しか感じなかったのでここは録り直しました。きっと当時は耳も頭もおかしくなってたんでしょう。

ちなみに音圧は3rdアルバム同様低めに作っています。音圧を上げれば小さい音量でも迫力が出るけど、音が圧縮されるので楽器の鮮度や生々しさは失われていきます。曲のダイナミクスもなくなるので音楽的ではなくなります。音が歪んでぼやけないギリギリまでしか音圧は上げていません。ともあれまずは昔のミックスと聴き比べて下さい。音圧は昔の方が高いですが、音量を揃えるとドラムやベースが全く別物で、音のバランスが絶妙である事が分かる筈です。

【旧盤】

【2020 Remaster】

現代音楽に於いて音の良さは顔の良さと同じで、顔が良ければそれだけで脳内補正が働きます。顔も中身も良ければもう言う事はありません。世の中にはLo-Fi好きのB専マニアなんてのもいますが、それはもう変態の領域なので置いていきます。

ただ残念な事にこのリマスター、CD化はしません。ダウンロード配信限定です。旧盤の在庫が大量に家にあるので、これがなくならない限りCD化する事はありません。でもなくなる事は多分ないのでCD化もありません。今後作る新しいアルバムもCD化はもうしないでしょう。もしお金を出して旧盤を買ってくれた人で、欲しい人がいればLINEなどでアルバムの写真を送って下さい。リマスターのCD-Rを送ります。

次は1stアルバムのリマスターに取り掛かりますが、これは結構大変な作業になります。元音が非常に悪く、英詞のメロディーを無理やり日本詞にした曲が2曲あるので、殆どをレコーディングし直し、2曲は本来の姿に戻す為歌詞も変え、内1曲は構成も変え、更に新曲も1曲追加します。ほぼ丸々1枚作り直しになるので、完成は来年になるかも知れません。1stを作った時は録音環境も機材も今とはまるで違っていたので、2nd以上に別物になって生まれ変わる事になると思います。あれは本当はもっと良いアルバムなんです。それがちゃんと伝わる出来になると思います。

惜しむらくはこのドラムの音が3rdアルバムで作れなかった事。この間出したばかりの3rdアルバムをリマスターしたい……。以前、Oasisの”Morning Glory”をリマスター詐欺などと揶揄した記憶があるけど、人の批判は結局ブーメランになって自分に帰ってくるものです。迂闊な事は言えません。気をつけねば。

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