Nostalgia (2021 Remake) 配信開始

1stアルバムNostalgia (2021 Remake)配信開始です。時間を掛けただけあってミックスの出来、音質共に今までで一番の出来です。オリジナルはチープな音質の楽曲にリバーブが掛かりすぎて全体的に音がボヤけ、ボーカルにも不必要なEQや歪みを掛けていました。当時はフィルターを一切使っていなかったので、低域・高域の人間の耳に聞こえない領域まで音が残り、特定の周波数で音が被ったままフェーダーだけで無理やり持ち上げていたので、各楽器の音が抜けてこないゴチャゴチャした音になっていました。何より機材と録音環境が今とは違いすぎて元音が悪すぎました。

今は1トラックづつフィルターを掛け、不必要な周波数の音はばっさりカットし、音が被りやすい領域では目立たせたい音だけが抜けるようにEQで調整しています。リバーブにもフィルターを掛けているので必要以上にリバーブが掛からず音もボヤけません。マイクをノイマンU87Aiに変えてボーカルやアコギの元音が非常に良いので最低限の処理だけで済み、ギター、ベースも元音さえ良い音で録れれば、後は音抜けとバランスの調整だけで済みます。9年掛けてようやくここまで自力で辿り着きました。理想の音に近づいています。

今回のリメイクではオリジナルから相当変更した曲もあります。以下が変更点になります。

1.New Century Slaves
 キーを2つ上げ、ヴァースの歌詞を変更。コーラスの楽曲も多少変更。

2.Falling Icarus
 ヴァースとブリッジのボーカルに高音を足し、歌詞も少し変更。

3.True Winners
 新曲。ファンク・テイストなロックチューン。

4.Tumbling Man
 新曲。アコギとマンドリンとストリングスの2コードの曲。

5.Manifest Destiny
 キーを1つ下げ、歌詞を少し変更。エンディングも変更。

6.五月の雹
 歌詞を少し変更。

7.Bittersweet Days
 キーを一つ上げ、歌詞を日本語から英詞に変更。曲の構成やエンディングも変更。

8.Strange Sanity
 キーを2つ上げ、歌詞も変更。ベースの動きを変え、シンセとマンドリンを楽曲に追加。

9.Landscape
 キーを1つ上げ、歌詞を日本語から英詞に変更。

10.Ly Lena
 歌詞を少し変更。笙の音を一部加え、後半の楽曲とエンディングも変更。

11.Nostalgia
 主旋律をマンドリンに変更。

オリジナルと比べてベースの音が別物になり、音抜けも良くなった事で、楽曲の全体像がより明瞭になったと思います。が、最も顕著に感じるのはボーカルの表現力でしょう。レコーディング前に辛いものを食べるか、油っこいものを食べるかで声質の枯れ具合は調整出来ますが、全体的なソウルや一音目の発声は長い苦境で身に付いたものです。

60年代のブルースブームで、若いイギリスの白人たちがどうしても出せなかった当時のブルースマンや、ソウルシンガーのあの思いを振り絞るような独特の声。あれはやはりあの時代の黒人にしか出せない唯一無二のものですが、そのフィーリングに似たものが3rdアルバムの制作時から出せるようになってきました。それに伴いビブラートも解禁して極力使うように変えました。この辺の話は相当深いレベルで歌の表現が分かっていないと理解できないので割愛しますが、この人生を選択する為に捨ててきた一つ一つが今になって実を結んだ結果です。何の努力も代償もなしに手に入るものなどありません。この25年の結晶です。

後は全曲のリリックビデオを作って誰でも自分の音楽を聴ける環境さえ整えれば、最低限残すものは残せたのかなと思います。呪いや祟りはそれを自覚する人がいて初めて成り立つように、世間に認められてこそ表現者は表現者たりえます。が、それは質の優劣だけに委ねられるものではありません。だから結局は自己満足に帰結します。質の優劣だけを重視した自己満足に。そういう意味ではこの人生で成し遂げるべき事が出来たのだと思います。そう思うようにしています。

と同時に自分の音楽を耳にしながらそれを認める事が出来なかった凡庸な連中には、執着する価値もないつまらない人間という以外の感情が沸きません。そうやってどんどん他人に対して無関心になれば最後には一人きりになりますが、それはただ自分と等しい人間に出会えなかったというだけの話。所詮深い部分で心が繋がりもしない上っ面だけの人付き合いなど、自分にとっては時間の無駄でしかないのだから。

Masaki Aio

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