タバコと煙管の話
安定して不定期にブログを掲載しております。三ヶ月振りの更新です。
最近近くのものが霞んで見えづらくなり、度数1.0の老眼鏡を試してみたら視界がクリアになりました。乱視があるのでそのうち専用の老眼鏡を作らなければならない。すっかりじじいだ。
またここ数ヶ月重いものを持つと右肩が痛く、いつ四十肩になってもおかしくない状態。ついに本厄始まったのか。年は取りたくないものです。
さて話は変わりますが、私は二年前にタバコを煙管に変えました。それまでは普通の紙巻きタバコを吸っていたのですが、煙管に慣れた今では紙巻きはまずくて吸えません。この煙管、使ってみると実に合理的なものです。以下に利点を上げると、
1.値段が安い(紙巻きより一箱40~80円程安い)
2.長持ちして経済的(紙巻きで月30箱¥13,800、煙管だと月10箱¥3,800)
3.匂いが臭くない
4.煙が少ない
4.味がうまくて無添加
5.ゴミが灰だけ
5.無駄吸いがなくなる
逆にデメリットは
1.手間が掛かる(毎日の葉の加湿、葉を煙管に詰めて吸う工程、煙管の定期的な掃除など)
2.持ち運びが不便
3.フィルターがないのでキツイ
4.一回に吸える量が少ない
ここからは私の個人的な見解ですが、タバコはあくまで嗜好品です。味を楽しむものであり、カッコつけるモノではありません(まあ若い時は仕方ないですが)。
1mgのタバコなど吸う価値もないし、味を楽しむならキツくて当たり前。フィルターも本来はない方が良い。
また現在タバコに関する健康被害で相当数の人が誤った認識を持っていますが、それについてはまた別の機会に延べたいと思います。
私が煙管に変えてからまず気づいたのが、人の吸うタバコの臭さです。タバコはタールの燃焼効果だけでは火が消えやすいので、巻き紙には燃焼促進剤が塗ってあります。それで火が消えずに煙が出続けます。タバコ特有の嫌な匂いの原因はこの紙が燃える匂いです。
煙管の匂いはタバコの葉だけが燃える臭みの少ない匂いです。火を点けた直後と息を吸い込む時にしか煙も出ません。中で種火が燻っているので、息を吹き込まなければすぐに火が消えてしまい、何かをやりながら片手間に吸う事は出来ません。
一服する度に手間を掛けるので無駄吸いがなくなります。吸い終わると灰だけが残るので余計なゴミもありません。
で、何が言いたいのかと言うと、『本物ほど手間が掛かって当たり前』という話です。その手間の奥に価値があるのに、掛けて当然の手間まで排除すると、進化は退化に変わってしまう。
綺麗な景色ほど過酷な場所にあり、自力でそこに辿り着くからその価値を得られる。それは決して写真や映像では得られないものです。
利便性ばかりを追求しすぎると、住みやすくなるほど住みにくくなり、便利になるほど不便になる。手軽なものほど中身はなく、手間も苦労も惜しめば世の中は偽物で溢れる。
そんな価値のパラドックスを知ろうが知るまいが、結局人は手軽な方を求めてしまう。きっとそういう生き物なんでしょう。
最後に煙管のデメリットをもう一つ。ケースにロクなのがありません。仕方がないので私は安い樹脂性のケースに籐を巻いて塗装し、コンチョとタッセルを付け自作しました。
うん、和服にしか合わない。